原油市況が乱高下するなか、LPガス市場は不需要期入りでプロパン需要は減少、ブタンは石化、ガソリンブレンド需要が減退、天然ガス代替需要が下支えも市況は軟化した。中東市場は、中国のコロナ感染再拡大によるロックダウンで、PDH需要も含め低迷、ブタンもアジア市場の需要が停滞するなか、カタール、アブダビ、クウェート等産ガス国の在庫は高く、スポット販売を実施、需給緩和感が強く、市況は軟化した。原油市況は、依然ボラティリティが高い状況が継続。軟化要因となったのが、米金融当局の大幅な金利引き上げに伴う需要減退懸念。各国中央銀行も急激に進むインフレ対策として金融引き締めに動き、世界的な景気後退懸念が強まった。また、中国のコロナ感染再拡大によりロックダウンが繰り返されたことも尾を引いた。一方、ファンダメンタルズは需給逼迫。ロシアへの制裁強化、産油国の政情不安(リビア・エクアドル)による供給停止不安、OPECプラスの増産前倒しも実効性は疑問符、余裕があるとみられていたサウジ、UAEも増産余力は乏しいとの見方が出てきた。ロシアのウクライナ侵略戦争は終息が見通せず、世界を熱波が襲うなか、各国は炭素資源の確保に右往左往、SDGs、ESG投資も胡散臭く、資源高と地球温暖化は止められそうもない。(出典:Energy Intelligence Network, ENEOS GLOBE WeeklyReport)